無心になって

肩コリを治すために
滝に打たれる人がいるかは知らないが、
腰痛を治すために断食をする人はいる、いた。
そして腰痛を治した。

猛烈な水圧に、
骨の髄まで凍りついてしまうようなその刺激に耐えている間、
空腹に耐えているその間、
肩コリや腰痛のことなど考えていられない。
その一時、無心になっている。

もちろん永遠に滝に打たれてはいられないし、
永遠に食を断つことなどできない。

しかし、その一時は耐えるのに精一杯で、
腰痛のことも肩こりのことも忘れている。
自分の中からその存在が消えている。

滝行が終わったとき、
断食が終わったとき、
腰痛や肩コリが蘇ってしまうかといえば、
それはわからない。

すぐに蘇ってしまう人もいるが、
半永久的に消えてしまう人がいるのも事実。

腰痛に打ち勝とうという生命力や、
肩コリに負けないぞという自然治癒力が湧き出てくるような、
そんなことをする。
無心になるとはそういうことだ。

体をスッキリさせることも大事。
それと同じく、心をスッキリさせることも大事である。

ほんの一時、透熱灸の熱さに耐えてみたらどうだろう。






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