活躍の場

疫病にお経が効くわけがない。

いくら加持祈祷をしたって、
いくら南無阿弥陀仏を唱えたってむり。
疫病に効くのは薬。

心を落ち着けるために
南無阿弥陀仏を唱えるのはいいこと。

でも出しゃばるのはよくない。
南無阿弥陀仏を唱えても疫病は治らない。
南無阿弥陀仏の活躍の場はそこじゃない。

コロリが流行って南無阿弥陀仏を唱える。

コロリで死んだ人を弔ってではなくて、
病苦から逃れるために南無阿弥陀仏を唱える。

なんでそんなことしたんでしょう？

何もせずにはいられなかったからでしょう。

おえらいさんも唱えているし、
お隣さんも手を合わせているしね。

でも南無阿弥陀仏は疫病に効かない、
糖尿病にも効かない、花粉症にも効かない、
南無阿弥陀仏を唱えたからと言って、
骨折が早く治ったという話も聞いたことがない。

じゃあ、南無阿弥陀仏が何にも効かず、
まったく何の役にも立たないかといえばそんなことはありません。

ただ南無阿弥陀仏の居場所がそこではないよ、ということです。
南無阿弥陀仏の居場所は別にあります。

南無阿弥陀仏に救われた人はとてもたくさんいます。

では、薬の居場所はそこか？

本当にそこか？






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