なんで鍼を打つのか?

目的のない行動というのはあまりない。
ボケーッとするためとか、
暇つぶしのためとかまで入れると全くない。
鍼も然り。

「仕事のため」にしても、
「趣味のため」にしても、
その前には、
「元気になる」
「痛みを緩和させる」などの目的があって、
だから鍼を打ちます。

じゃぁ、何故、鍼を打つと元気になったり、
痛みが和らいだりするのか?

 ○鍼を打つことで、
 白血球の働きが正常になるなど、
 いい意味で、血球成分に変化が生じます。
 これによって、
 風邪をひきにくくなったりします。


○鍼を打つことで、
 エンドルフィンなどの脳内モルヒネが分泌され、
 痛みが和らぎます。
 エンドルフィンとは、
 いわば天然の痛み止め物質です。
 このとき脳波にも変化がみられ、
 よく眠れるようになったり、
 気持ちが前向きになったりします。
 よく眠れるということや、
 思考が健康に関与していることは
 疑いのないことです。


○鍼を打つことで、
 ゲートがコントロールされます。
 ゲートとは門のこと。
 何かが通るのが門です。
 ここでいう何かとは痛みの刺激と鍼の刺激。
 例えば、タンスの角に足の小指をぶつけます。
 これは痛い。

 ぶつけるという刺激を痛覚が感知すると、
 求心性神経を通じてその刺激は脳に届き、
 脳で痛みを認識します。
 この痛覚から脳への道筋の途中、
 痛みの刺激は脊髄を通ります。
 この脊髄のことを門に見立てています。

 痛む場所があると無意識のうちに、
 そこを手で押さえるのは、
 それは、別の刺激を与えることで、
 元の痛みがごまかされてしまうから。
 痛み緩和のため鍼を打つのは
 このようなメカニズムが背景にあります。
 その痛みのコントロールが脊髄において
 行なわれるため、
 このメカニズムのことをゲートコントロール説といいます。
 

○鍼を打つことで、
 血行が良くなります。
 血行が良くなることで、
 局所の発痛物質の滞りが改善され
 痛みが和らぎます。
 慢性痛の緩和はこのようなことで起こります。
 

○鍼を打つことで、
 自律神経が調整されます。
 現代病といわれるものの多くは
 自律神経が大きく関わっています。
 鍼は、その自律神経に直接的に、
 または間接的に働きかけることで
 その不具合を調整します。
 

〇鍼を打つことで、
 気血水の流れがよくなり、経絡・臓腑の調子が整います。
 お腹の調子が悪いときに
 足に鍼を打ったりします。
 これは、足のツボとお腹が経絡でつながっているから。
 この気血水、経絡、臓腑という考え方なしに 
 東洋医学的な鍼の説明は難しい。


などなどのことで鍼を打つわけです。

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