熱中症

「熱中症」
我を忘れて一つのことに熱中してしまう病気、ではありません。

高温・多湿によって、体温調節機能がうまく働かなくなることで起こる障害で、
夏の暑い時期に多発します。
スポーツの現場など、体力を酷使する環境下で起こることが多いですが、
お年寄りなんかだと、寝ているだけでもなる場合があります。要注意です。

水分補給が大切なのはもちろんですけど、
汗と一緒に出て行ってしまった塩分を補わないとダメです。

塩分は、もともと日本人の食事に多い傾向にあるため「控えめに」と
いわれることはあっても、「積極的に取れ」といわれることは
あまりありません。が、取るべきときに、取るべき量は取らないといけません。
ヘタすると死んじゃいます。

70代半ばの患者さん。
趣味はゴルフ、テニス、サイクリング。いい色に焼けています。
「寝ていると足がツレルんだけど、あれはいてぇな、
突然だもんで、ビックリしちゃうよ、なんでだ?」
スペシャルドリンクはカルピスだそうです。

筋ケイレンは脱水症状の一歩手前。
「カルピスもいいけど、塩分を少し取った方がいいですよ」

「えっ?甘いの取らないとダメだって聞いたもんで」

「甘いのは甘いので必要なんですけどね。肉食べてれば、
野菜は食べなくてもいいってわけじゃないでしょう。
それと同じ、目的が違うんです」


今時、練習中に水飲むな、という指導者はいないと思いますが、
積極的に「水飲んでるか、水飲めよ」としょっちゅうは言わない
指導者というのは、いると思います。
もちろん飲みすぎも×。

健康管理よりも、他のことに夢中になり過ぎて、手遅れ。
そうなると、冒頭に書いた熱中症の定義も、
あながち間違ってないかも。

熱中症は防げるんです。
「なってしまったらどうするか」ではなくて
「どうしたらならないか」を考えるのが基本
というのは、熱中症に限ったことではないですね。

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