陰と陽

東洋医学では、生体を自然や宇宙と一体のものとして見ています。
自然の中に人がいて、人の中に自然があります。

その東洋医学の基本中の基本ともいえる理論が「陰陽論」です。
自然界のものは、すべて互いに対立した性質をもつ「陰」と「陽」に分けられる
というもので、人間の体の中で起こることも例外ではありません。

季節でいえば秋冬が陰、春夏が陽。一日なら夜が陰、昼が陽。
自律神経でいえば、副交感神経が陰、交感神経が陽、睡眠や休息が陰、
活動や行動が陽です。

どれも、どちらか一方だけが存在するわけではなく、互いに依存しあっていて、
陰があるから陽があり、陽があるから陰があります。
また、暑い夏にも比較的涼しい日があり、冬でも暖かい日があるように、
陰の中にも陽があり、陽の中にも陰があります。

トレーニングでいえば、トレーニング自体は活動的なものですから陽ですが、
その中でも筋トレが陽、クールダウンの時に行うストレッチは
陰ということになります。一見、陽の派手さに目が行き、
陰をおろそかにしてしまいがちですが、陰、陽どちらも大切です。

昔、「サスケ」(白土三平著)という忍者もののTVアニメのオープニングの歌に、

「光あるところに影(陰)がある。まこと栄光の影(陰)に数知れぬ忍者の姿があった。
命をかけて歴史をつくった影(陰)の男たち」

というフレーズがありましたが、
表舞台に登場しないが、世のため、人のために重要な役割を果たした
忍者の様を言っています。

体の陰陽バランスが崩れたときに、体調不良となります。

病気にならないため、もしくは病気を治すためには陰陽のバランスを
整える必要があり、働くため、生きていくためには休息、休養が必要です。

昼は活動し交感神経を働かせ、夜はゆっくりと休み副交感神経を優位にする
ということは、太古の昔から人間が行ってきたことで、
陰陽論を持ち出すまでも無いかも知れません。

がんばるのは良いことです。
しかし、がんばり過ぎると陰陽のバランスが崩れます。

無理は所詮無理でしかなく、いつまでも続けていくことはできません。

ロウソクはロウが陰、炎が陽です。
炎は、陰であるロウからエネルギーを受け取ることで燃えることができ、
炎が燃えた分だけロウは小さくなります。

ここで、エネルギー源であるロウを補充しなければ、
そのうちに炎も小さくなってしまいます。

体を使えば、頭も使う。
動いた後は体を休め、考え過ぎたら脳を休める。
はしゃいだ後は心を静かに落ち着ける。

残念ながら忍者にはなれませんが、
そのように生活していけたらと思います。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック